
徳が考える
「基本的な評価設計パターン」
コラム3
パターン①:短期介入の評価
―― 流速変化と血管径の関係をどう読み解くか ――
例:温熱、運動、単回摂取など
- 主指標:血流速度
- 補助指標:動脈側・静脈側の血管径
短期介入では、血流速度が比較的早期に変化することが多くみられます。
しかし、「血流速度が速くなった=循環が改善した」とは必ずしも言えません。
当社の解析経験では、次のような傾向がみられるケースがあります。
血流速度は上昇しているが、血流の戻り(静脈還流)が十分でない場合
→ 静脈側の血管径が太くなる傾向
冷え傾向など、もともと血流量が少ない被験者では
→ 血流速度は上昇しても、動脈側・静脈側ともに血管径が細いまま推移する傾向
これは、「速く流れていること」と「十分に循環していること」が必ずしも一致しない一例として考えられます。
👉 パターン①では、短期介入では血流速度の変化を主指標として評価しますが、血管径の変化をあわせて確認することで、血流変化の背景や循環特性について、より深い考察を行うことができます。

パターン②:継続使用・中長期評価
―― 血流のベース変化と血管構造の変化を見る ――
例:継続摂取、長期ケア、生活習慣介入など
- 主指標:血管径・血管密度
- 補助指標:血流速度
中長期評価では、季節や測定環境による影響を考慮することが重要です。
そのため徳では、
- 適正な室温帯
- 十分な馴化時間(安静・環境順応)
を設けたうえで、ベースとなる血流速度の変化を評価します。
この条件下では、
- 血流速度のベースライン自体が変化してくる
- 中長期にわたり血管形状の変化が観察される
といった傾向がみられることがあります。
特に血管形状については、
- 健常例で多くみられる串状の血管構造へ変化するか
- 変形した血管が増える方向へ変化するか
といった違いが観察される場合があります。
この血管形状の変化は定性的な評価要素として重要ですが、現時点では定量指標としての評価は行っていません。
👉 研究・プレ臨床試験においては、解釈コメントとして提示することで、評価結果を補足する有用な情報になると考えています。
ゴースト血管の変化について
中長期評価では、
- 血管構造は存在しているが
- 血流が流れておらず、見えない、あるいは見えにくい
いわゆる「ゴースト血管」と考えられる血管が、明瞭に観察されるようになる場合があります。
この変化は、
爪郭部では
- 第一層血管の本数
顔・皮膚表面では
- 単位面積あたりの血管先端個数
として解析・評価されます。
👉 血流状態の変化を示唆する重要な所見の一つと考えられます。

パターン③:被験者間比較・層別評価
―― 平均値では見えない違いをどう捉えるか――
例:年齢差、体質差、群間比較など
- 主指標:血流速度の分布
- 補助指標:血管密度
被験者間比較では、平均血流速度だけを見る評価には限界があります。
実際には平均値が同程度でも、
- 500 μm/sec 未満
- 500~1000 μm/sec
- 1000 μm/sec 以上
といった速度帯ごとの分布によって、循環状態や体質の特徴が異なる場合があります。
そのため徳では、
- 血流速度の群分け
- 分布傾向の比較
といった層別評価の考え方を重視しています。

経験に基づく評価アドバイスについて
株式会社徳は、これまで300件以上の画像解析・評価支援に携わってきました。
その経験をもとに、
- どの指標を
- どの評価軸で
- どのように解釈するか
について、試験目的に応じた実践的なアドバイスを行っています。

まとめ
評価設計とは「変化の意味を読み解くこと」
- 流速が上がった理由は何か
- 血管径の変化は循環改善を示しているのか
- 血流分布はどのように変化したのか
これらを複数の指標を組み合わせて解釈することが、毛細血管評価において重要であると徳では考えています。



